子どもの習い事、何にすべきか問題その3:スイミング

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この時も述べた通り、「美容院方式」でおっかなびっくり髪の毛を洗っていた上の子は、顔への水一滴の付着も許さない子どもになってしまった。水が一滴でも顔に飛ぼうものなら、「みじゅがーーーーーーーーーーーーー!」と騒いだ。成長したら変わるかな、と淡い期待を抱いていたが、「みずが、つきましたーーーー!」と多少丁寧に騒げるようになっただけで、本質は変わらなかった。

 

お風呂は私が頑張ればどうにかなるものの、これは幼稚園入園前にはどうにかしておかないとと焦り始めた。幼稚園のプールは水遊び程度だが、自分や、お友達の動きで水が顔にかかることは容易に想像できる。ただでさえ忙しい幼稚園の先生に、こんなことでご迷惑をおかけするわけにはいかない。

 

こんな後ろ向きな理由で習い始めたスイミングだが、やってみるととても良い点もあった。習い事選びの参考になればうれしい。

 

1) 全身運動で体全体の発達に良い

スイミングでは水圧が体全体にかかる中で運動するので、体全体の発達に良いと聞く。スポーツ選手にも、そのスポーツのほかにスイミングを習っていた人が多いそうだ。子どもがスポーツ選手になるかどうかはおいておいて、何をするにも、体が強く、健康に発達するにこしたことはない。

 

2) いざというとき命を守れる(かもしれない)

川や海に遊びに行くことは、一生のうち何度かはあるだろう。その時に、事故にあわないとは限らない。かくいう私も、友達とラフティングをしたときに激しい流れの中で岩につっこんでボートごとひっくりかえったことがあった。もちろんライフジャケットはつけていたが、ひっくりかえったボートが水に落ちた自分たちの上に乗ってどちらが水面かわからなくなり、一瞬命の危険も感じた。私と一人は流れがゆるやかなところへ泳ぎつき別のボートに助けてもらったが、もう一人はかなり先のほうまで流された。みんな最終的には無事で、本当に良かった。ひっくりかえって、もちろんびっくりしたし、危険も感じたが、泳げるという自信があることで必要以上にパニックにならずに済んだ。子どもたちにも、万が一のためにも頑張ってクロールと平泳ぎは習得してもらいたいと思っている。

 

3)親は「応援する」ポジションでいられる

最悪、泳げなくても生きていけるとは思うが、水に顔をつけられないことは克服しなければ本人も困るだろう。問題は、その方法である。私自身も小さい頃スイミングを習っていて、最初は、水を顔につけるのがものすごく怖かった。私の通っていたスクールはめちゃくちゃスパルタで、怖いコーチが腕組みをして待っているので、泣きながら顔をつけるしかなかった。プールは探せばあるし、顔をつけるくらいは自分でも教えられるが、それを親が教えて、うまくいくようにはどうしても思えなかった。多分、子どもは甘えが出ていつまでも怖がり、親はだんだんイライラしてしまうだろう。トラウマになっても後腐れのない他人であるコーチに教えてもらって、親は「●●すごいねー!がんばれー!応援してるよー!」と白々しい芝居を打つ方が得策だと踏んだ。実際、私の時代とはうってかわって明るく楽し気なコーチたちがかわるがわる励ましてくれて、想像したよりかなり前倒しで顔をつけられるようになった。

 

4)おともだちがいる

スイミングを習い始めると、当たり前だが、同じレベルのお子さんたちや、顔はつけられるぜ?とちょっとパイセン風をふかせるくらいのお子さんたちがうじゃうじゃいた。この前まで顔をつける段階で泣いていた子たちが、意を決して顔をつけられるようになる成長も目の当たりにした。長期戦を予想していたが、意外にはやめに顔をつけられるようになったのは、このようなおともだちパワーが大きかったと思う。親が一対一で教えて見本を見せたとしても、だってあんた大人やん?という感じで説得力に欠ける。幼稚園に入ったあとは、同じ幼稚園の子をスイミングで発見したりしてさらに楽しさが深まったようだ。

 

このような経緯を経て、水一滴も許さなかった上の子は、いまでは個人メドレーのクラスで泳いでいる。思えば遠くへ来たものだ。私も歳をとるというものである。