兄姉になる上の子へ贈る本:ちょっとだけ

我が家の子たちは、2歳差きょうだいである。

 

上の子にきょうだいが生まれることになった時、きょうだいとしての所作を、一人っ子の自分が全然知らないことに急に不安になった。

 

とにかく、究極の理不尽だと思う「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい」だけは言わないようにしようと思い、その自分との約束は今でも守っている。

 

特に不安だったのが、出産時に初めて母親と離れ祖父母に1週間も預けられ、母親が見たことない赤子をつれて帰ってくるという、壮絶なイベントに娘が耐えられるかということだった。

 

赤ちゃんってどんな感じなのか、赤ちゃんがくるってどういうことなのか、自分の気持ちはどうなのか、まだよくわからなくても、考える、感じるきっかけになってもらえたらと購入したのが、この絵本である。

 

娘がどう感じていたのかわからないが、本人はこの本を気に入って、下の子が生まれるまでもその後も、何度も読み聞かせに選んだ。

 

実際に下の子を連れて帰った日、娘は不思議そうな顔をしていたが、おでこを撫でて、「おねえちゃんだよ」と優しく声をかけていた。

 

その後、やはり壮絶な赤ちゃん返りがあり、甘くはなかったと思い知るわけだが、二人は今でも、かなり仲がよいきょうだいだと思う。

 

この絵本が蒔いたかもしれない種が、これからも大きく育っていってくれると嬉しい。